【自主自立】「情の不条理」過剰な“恩”は“恨み”を生む|推拿個別指導 推拿整体院 すいな健康院

query_builder 2022/06/11
推拿(すいな)講座
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①師匠としての一つの成功体験

②過剰な“恩”は“恨み”を生む

③師弟関係は守破離の原則のもとで

④自らがやるべきことをやるだけ


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①師匠としての一つの成功体験


2019年11月のこと

当時

私が集中していたのは
スタッフKさんの新規とリピーターの集客でした。

その年の4月から推拿手技の勉強を始めて

9月までに基本講座を修了して

順調に全身の基本的な施術が出来るようになりました。


彼は全く別の世界のフリーで働いていた当時40代後半

接客業のアルバイト経験もないどちらかいうと職人気質

それだけに勉強熱心、研究熱心で

360個のツボの名前も自力で暗記したほどです。


そのため

師匠である私の熱も入り

彼が必要とする情報を惜しみなく伝えていたと思います。


そして1ヶ月の準備期間を経て

11月から施術スタッフとして働き始めたのでした。


施術者として一人前になるためには

当然のことですが現場経験が必須です。


結果的に言うと

その月から数ヶ月

滑り出し良く新規を集客することができ

接客を含めた施術の対応に慣れることができて

翌年からのコロナ禍で新規が激減し

リピーターづくりには苦労しましたが

彼はその後

彼の住む地元の施術量販店で働けるようになり

独立開業は望んでいなかったので

2021年の昨年末に師弟関係を一応解消し

今は専業で自立して仕事をしています。


2019年4月当時の彼の望みは叶いました。


この期間に

ここでは書き表せませんが

師匠として私なりに苦労を様々させてもらいました。


この関わりの中で

私が終始心に留めていたのは

依存させず、支配しない

と言う態度でした。


これはかつて

自分が弟子の立場だった時に

知らず知らずのうちに陥った関係性だったからです。


Kさんとの関わりの中で感じたていたのは

依存させた方が実は楽で

高圧的に支配的に接した方が

自立できなく出来る

と言うことです。


私の場合は

自分がこの関係に嵌って苦しんだ経験を

他人にさせたくない、と言う気持ちが強すぎて

逆にギクシャクしてしまう場面もあり

反省もあります。


しかし

彼との関わりで首尾一貫し貫徹したのは

自信を持たせることでした。


そのため

3年以上は関わらない

とあらかじめ心の中で決めておいて

時期をみて段階的に彼に離れる決意をさせました。


彼との最後の稽古の時間を終えた

昨年の12月のある日

新宿の知り合いの店でささやかに旅立ち会を開きました。


今年に入って

4月の彼の誕生日に

LINEでメッセージを送りましたが

しっかり自信を持ち続けたまま

日々明るく働けている彼からの返答がありました。


全くの素人から3年以内で

様々に経験豊かな猛者達と

肩を並べて堂々と施術している彼を頼もしく思います。


もちろん

自立できてよかった

依存関係にならなくて良かったと

心の底から感じています。


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②過剰な“恩”は“恨み”を生む


『恩』について
肚の底に落ちる話を聴いたことがあります。

「過剰な“恩”は“恨み”を生む」
と言う話しで
たとえ話で言うとこういう感じです。


金に困っている後輩の経営者がいて
会社存続の危機を脱却するために
1000万の現金が明日までにどうしても必要です。

この後輩経営者が
先輩経営者であるあなたを訪ね借金を申し出ます。

その困窮した現状を知り
面倒見のいいあなたは一肌脱ごうと
ほうぼう駆けずり回り
何とか後輩のために1000万円を工面してきました。

後輩は
大変感謝感激し涙を流し礼を言い
一年以内に必ず返済する旨を
あなたに誠心誠意の態度で伝えます。

一年後
後輩の会社の経営状態は
あの時の1000万円のお陰で持ち直したにせよ
まだまだ自転車操業的な境地から抜け出せておらず
あなたへの借金を到底完済出来る状況ではありません。

この時
多くの人は
この後輩が現状を平身低頭謝罪し
引き続き経営努力を重ね
借金返済と当時の“恩”を何とか返そうとするに違いない
と思うかも知れない。


ただ多くの現実は
自らの現事実を省みず
あなたからの“恩情”を重く感じ
自分を正当化するために
あなたに“恨み”さえ感じるようになる
と言うのです。

皆さんはこの話を聴いてどう感じるでしょうか?


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③師弟関係は守破離の原則のもとで


『大恩』は『大恨』に繋がる
と言う言葉があるそうです。

何故この話をしたかと言うと
やはり
自分を省みての事です。

私とスタッフKさんとの関わりは
Kさんが『推拿』を修得し
「自立」する助けをする事にありました。

どんなにKさんが成長し
仕事が出来るように関わったとしても
彼はいずれ自立し独立してしまうのでした。

これは
私が辿ってきた道と同じです。

だから
私も私がしてきたように
私の師匠が感じたような体験をすることなりました。


私の場合は

弟子入り当初から

「独立開業」を目標に表明していました。


そのため「守破離」の流れの中で

離れる苦しみを味わうこととなります。


弟子と師匠の関係は

どうしてもある程度

依存と支配的になってしまうと思います。


弟子を育て

仕事が出来るようになると

自分の手元に置いておきたい

と思うようになるのも自然かも知れません。


師匠の想いに応えたい気持ちが全くなければいいのですが

自分の心の奥底の願望との葛藤が生まれるのです。


そして

自分の願望の実現を正当化するために

相手の存在を何とかして否定したりし始めるのです。


大きな“恩”を感じていればいるほど

大きな“恨み”を捻出して押し返し

葛藤を中和させようとするのかも知れません。


「私には自分が独立する理由と正しさがあった」

それは事実で確かでした。


ただこの先

自分の中でその“恩”を正面から見続けて

日頃必要とする身近な人に与え続けながら

師匠に対等に平常な心で返したくて

お返しできる日が来るかも知れません。


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④自らがやるべきことをやるだけ


当時の記憶と記録を辿っても

私は弟子のKさんとの関わりで
後々こちらから返してもらおうとする「何か」を
求めなくても済むように気を付けていました。

『恩』『情』は
その時に深ければ深い程
離れる時には
さらに深い感情になります。

私たちが大切にしなければならない事の一つに
『自由』があります。

自分に『自由』が必要なら
相手にもそうなのです。


私が推拿の道を志した理由に

「この社会から時間とお金をコントロールして

 独立した存在になりたい」

と言うものが確かにありました。


そして

2012年から推拿を指導し始めたのは

父の死を目の当たりにして

「自分が得たものを遺して死に至りたい」

と言う想いが強くなったからです。


「自分がやりたくてやっている」

決して

「相手のために身を削って」

などと思いあがることはないでしょう。


これから出逢う人たちにも

推拿を伝え遺していくつもりです。


東京都中野区 推拿個別指導 推拿整体院 すいな健康院

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